葛飾北斎とその時代@あびこ市民プラザ
Twitterで面白そうな展覧会をやってると知って、我孫子市に行きました。
我孫子市民プラザで「葛飾北斎とその時代」。摘水軒の所蔵品を中心に、北斎とその周辺絵師たちの作品を公開。約50点の大半が肉筆画というのは嬉しい。扇子で紙吹雪を散らす手品師の後ろ姿を描いた北斎の《手妻師》が、あまり見たことのない画題でおもしろかった。 #Bura_Bi_Now pic.twitter.com/0nqD8Fkkn7
— 黒織部 (@kurooribe) 2017年7月17日
我孫子駅北口から炎天下を歩いて7分。目的地のあびこ市民プラザと思しき建物は、どうみてもイトーヨーカドー。恐る恐るショッピングモールに入って店内の地図をよくよく見てみると、3階に市民プラザを発見。これ以上、炎天下を歩き回らずにすんで、ほっとしました。
あびこ市民プラザの入り口。只今、第60回我孫子市民文化祭 記念事業特別展 「葛飾北斎とその時代」開催中です。
いつものように、気になったものを以下にメモとして残します。
14《葛飾北斎 手妻師 紙本着色 30.2×56.8 天保10年(1839)/80歳 公益社団法人川崎・砂子の里資料館》
手品師が右手の扇を仰ぐと左手から紙吹雪が舞うのを後ろ姿で描いた。横長の画面を広く取って対角線に紙吹雪が舞う。構成にひねりがあって面白い。
15《葛飾北斎 生首図 絹本着色 27.4×43.1 天保13年(1842)/83歳 公益財団法人摘水軒記念文化振興財団》
画面中央に女の生首。深い陰影で眉間に皺を寄せ歯を食いしばった恨めしい表情。目元と頬に鮮血が散る。この生首を洗って干す直前ということか、柄杓が描かれている。綱、青竹が罪人であることを想像させる。
17《葛飾北斎 雪中鷲図 紙本着色 118.5×54.0 天保14年(1843)/84歳 公益財団法人摘水軒記念文化振興財団》
雪の積もる枯木の上に止まり、空を見上げる鷲。どんよりとした空は薄墨と薄藍を引いている。幹や青苔の描写は南蘋派の影響。
力強い足元から爪にかけてが印象に残る。口元の表現がよい。
18《葛飾北斎 風神の図 紙本着色 89.6×28.5 弘化元年(1844)/85歳 個人》
赤い髪をした青い肌の風神。脇を締め、自分が起こした風に袋が飛ばされるのを耐えているのか、卑屈な表情で正面を見据えているの面白い。
21《芋とききょう 紙本着色 17.0×22.4 嘉永元年(1848)/89歳 公益社団法人川崎・砂子の里資料館》
横長の画面に桔梗と大中小の三個の里芋を描いたもの。親芋にくっついた小芋が愛らしい。
24《抱亭五清 粧い美人図 絹本着色 105.0×35.0 公益財団法人摘水軒記念文化振興財団》
手鏡を持って化粧をしている女を描いたもの。帯の表には百人一首が描かれ、裏地の藍の部分は雲母が光る。ろうけつ染めで女の上衣と背景の萩と菊を染め抜き、そこに彩色を施すという、非常に凝った作り。落款は染めで印章は手書き。
30《高井鴻山 妖怪図 紙本水墨 105.5×42.3 個人》
山水のようだが積もった雪や岩をよく見ると、大入道、一つ目、童子の姿をした妖怪のようにみえる。妖怪山水画。
46《香蝶楼国貞 嵯峨ノ釈尊開帳ノ図 大判・三昧続 西村屋与八 回向院》
四代目 歌川豊国。遠景に嵯峨釈尊の開帳で賑わう回向院境内。両国橋の真ん中を力士らが歩くのを、周囲の者は驚いた顔で眺めている。
まだ遠方への旅行ができない時代、両国橋東詰にある回向院で全国各地の寺院の出開帳がさかんにおこなわれ、開帳の時期には大勢の見物人が訪れ賑わったという。回向院は大相撲の興行場所としても賑わう場所だった。
無料なのに、よいものを見せていただきました。
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