奥の細道330年芭蕉@出光美術館
前日まで台風の影響で大雨の予報のはずだったのに、朝になったら曇りでした。これ幸いと自転車で丸の内へお出かけしました。
夏の間、すっかり足が遠のいていた出光美術館です。
芭蕉展が開催されていました。
江戸時代前期に活躍した俳人・松尾芭蕉(1644 – 94)は、元禄2年(1689)3月下旬に江戸を出立して、松島・平泉を巡り、出羽の各地を遊歴しました。その後、越後・越中・越前を経て、8月下旬に美濃大垣へと至ります。この旅をもとに、元禄7年(1694)の4月に紀行文『おくのほそ道』が編まれました。今年は、芭蕉が奥の細道の旅に出て330年。これを記念して、芭蕉の書画や芭蕉を敬慕する者たちの作品を展示し、俳諧にまつわる美術をお楽しみいただきます。
名句の響き―芭蕉の筆跡を賞でる
1《芭蕉像 小川破笠 寛保元年(1741)一幅 94.2×29.3》
3《旅路の画巻 松尾芭蕉 江戸時代 一巻 22.5×517.0 柿衛文庫》
9《発句短冊「さとの子よ」 松尾芭蕉 江戸時代 一幅 37.0×5.7》
雪中山路
10《発句短冊「いかめしき」 松尾芭蕉 江戸時代 一幅 32.3×2.0》
城下旅店
15《歌仙懐紙「雁がねも」 松尾芭蕉 貞亨5年(1688) 一幅 19.4×87.3》
打曇の料紙に、越智越人が師の芭蕉と両吟歌仙したものが書かれている。各行の下に「人」「蕉」と区別がある。越人の「雁がねもしづかに聞けばからびずや」が発句。それに続いて芭蕉の「酒しゐならふこの比の月」が続く。
◎17《山水図屏風 与謝蕪村 宝暦13年(1763) 六曲一双 各166.0×378.0》
絖(ぬめ)と呼ばれる絹に描かれたもので、高価な画材を得るために弟子らが屏風講を開いた。右隻には春霞、左隻には紅葉の山水が繊細に描かれている。
旅の情景―奥の細道をめぐる
◎19《奥之細道図 巻下(二巻のうち) 与謝蕪村 安永7年(1778) 一巻 縦29.2 京都国立博物館》
市振、山中、福井(等栽)の場面。
名所・旧跡をよむ―歌枕の世界
◎30《西行物語絵巻 第二巻 詞書 烏丸光廣 画 俵屋宗達 寛永7年(1630) 一巻 33.5×1855.7》
『西行物語』は、鳥羽院北面の武士であった佐藤兵衛尉義清が、一族である藤原憲康の突然の死に無常を感じ、出家して諸国を行脚したという西行の一代記を、多数の歌をまじえて記したもの。それを絵画かしたのが『西行物語絵巻』である。元は「禁裏御本」だったものを、本多伊豆守富正の命を受けて烏丸光廣が宗達に模写させ、詞を光廣が書いた。
展示は、住吉、難波江、嵯峨野、紀伊の場面。
◎31《西行物語絵巻 第四巻 詞書 烏丸光廣 画 俵屋宗達 寛永7年(1630) 一巻 33.6×1821.0》
展示は、天竜川、富士、武蔵野の場面。
34《佐野渡図屏風 狩野興以 江戸時代 六曲一隻 150.9×353.6》
紀伊国東牟婁郡三輪ケ崎のあたりを佐野と呼んだ。「佐野渡」はよくしられた画題で『新古今集』藤原定家卿の歌「駒とめて袖打ち払ふかけもなし佐野の渡の雪の夕暮」を元に、雪に暮れゆく優美なる殿上人が描かれる。本屏風でも、従者をつれた馬上の殿上人が右袖を上げて進む。その先には船橋(謡曲『鉢木』)が掛かっている。
思いを紡ぐ―芭蕉から放菴まで
38《百華賦 森川許六 宝永7年(1710) 一巻 26.6×838.4》
梅・桜にはじまる30余種の花を女性に例えた戯文に絵を添えたもの。
森川許六は彦根藩師で芭蕉の弟子のひとりであり、芭蕉の絵の師匠でもあった。展示は合歓から菊まで。
40-2《春日野蒔絵硯箱 小川破笠 江戸時代 一合 27.2×17.5》
蒔絵と陶器の象嵌を組み合わせた破笠独特の技法で、秋草と後ろ向きの鹿を表す。『古今和歌集』壬生忠岑の「山里は秋こそことにわひしけれ 鹿の鳴く音に目をさましつつ」を暗示している。側面に福・寿の文字。
43《筏師画賛 与謝蕪村 江戸時代 一幅 27.2×66.8》
クラゲかと思うような軽快に描かれた筏師に「いかたしの みのや あらしの 花衣」の句が添えられる。
45《芭蕉蛙画賛 仙厓 江戸時代 一幅 97.7×27.9 / 128.0×28.1》
51《立石寺 小杉放菴 昭和時代 一幅 134.2×29.8》
53《奥の細道十二題 小杉放菴 昭和時代 各 26.3×22.8》
そもそも私には難しすぎました。
前半私には難しすぎて眉間にしわ寄せながら見ていたんですが、終盤は小杉放菴のほのぼのタッチにホッとさせられました。 pic.twitter.com/ZN7jotdC9n
— クマ (@MelonpankumaA) September 21, 2019
美術館を出たら、目の前にレトロなデザインのバスが止まっていました。
EDO TOKYO NIPPON アートフェス 2019会場を巡回するミュージアムバスでした。
9月21日を含む三日間、東京駅周辺の私立5美術館が連携して、アートフェスを開催していたようです。
帰る前に、東京国際フォーラムのドーナッツプラントで一休憩。
チョコレートたっぷりのブラックアウトとホットコーヒー。
生き返ったー。
ディスカッション
コメント一覧
あるあるですね~ドンマイ
励ましのお言葉ありがとうございます。
数日前に出光美術館の「瀟湘八景」展を見に行きましたので、今度は公式サイトに情報がある内に、そして記憶もまだ新しい内に、記事にしようと思います(苦笑
私もよくやるんですよ~で、二度手間とか笑
私も二度手間しょっちゅうです。
写真の撮り損ないが多いし、家に帰って写真を見返して気がついたりで、神社・聖域の類は一度の訪問じゃすまないこと度々です。
目にしたもの全て記録してくれるガジェットがほしいよ~、どらえも~ん(笑