日本美術の流れ@東京国立博物館 本館

2022年4月19日

連休二日目は科博の行列を横目に、今年5回目のトーハクへ。

久しぶりにコートもいらない陽気で大変気持ちがよく、本館に入る前に庭園を一回りしました。
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池のを眺めながらベンチでしばし呆けていましたが、杉花粉もすさまじいので諦めて本館へ。
現在トーハクではお花見シーズンにあわせてイベント博物館でお花見を(3/14~4/9)を開催中。エントランスホールでスタンプ台紙付のフライヤーをもらいました。

以下、気になったものをメモとして残します(◉は国宝、◎は重要文化財、◯は重要美術品)。

2室 国宝 花下遊楽図屏風

《◉花下遊楽図屏風 6曲1双 狩野長信筆 江戸時代・17世紀》
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右隻に、満開の桜の下で貴婦人を中心とする酒宴のさまを、左隻には八角堂(八面の仏堂)の前で繰り広げられる風流踊りと、それを眺める人々を描いている。
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歌舞伎踊りの流行を受けたファッションで踊る人々。衣装が金泥や金箔で煌びやかに描かれている。
関東大震災の際、右隻中央部分が焼失したが、大正期に撮影した白黒写真により、毛氈(もうせん:毛皮の敷物)を敷いて座る二人の貴婦人たちが描かれていたことがわかっている。
作者の長信は狩野永徳の末弟。徳川家康に仕えた長信は、まず駿府に、その後江戸に下り、78歳で亡くなるまで長く江戸幕府の御用をつとめた。現存する長信の作品は少ないため、本作は貴重な基準作といえる。
歌舞伎踊りと聞いて、つい、野田MAPの足跡姫の舞台が思い出されます。

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国宝室の隣がざわざわしていると思ったら、外から鳥が入ったらしく 捕り物が行われていました。
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鳥が天井の影に隠れてしまったので、出てくるのを待っています。

8室 暮らしの調度―安土桃山・江戸

《瑠璃地芥子文酒呑 1口 鍋島 江戸時代・17世紀》
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この酒呑は小向付とも言われ、木瓜状の平面を持つ筒形とし、瑠璃釉を厚く掛け、模様の芥子は白く抜いている。

《桜花螺鈿椀・牡丹唐草螺鈿膳 1具 安土桃山時代・16世紀》
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桜の葉、花弁の先端にわずかに紅い漆をさしてアクセントをつけている。

10室 浮世絵と衣装―江戸

《山海愛度図合・けむつたい 1枚 歌川国芳筆 江戸時代・嘉永5年(1852)》
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美人の大首絵で「~したい」をタイトルにした揃い物の浮世絵。けむつたいではツバメの着物を着た美人が染付の椀を片手にかまどから出る煙を避けている。これは《台所美人 喜多川歌麿》から着想を得たものだろう。こま絵は丹波赤蛙(疳の虫の薬)として、網で蛙を捕る様子が描かれている。

《江戸名所百人美女・首尾の松 1枚 歌川国貞(三代豊国)筆 江戸時代・安政4年(1857)》
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国貞は、初代歌川豊国の弟子で後に3代豊国(自称2代)を襲名した。合巻など版本挿絵から錦絵、春画まで作画範囲は広く、浮世絵界最大の作画量を誇った人気絵師である。江戸名所百人美女は、100の名所を背景に100人の美女が描かれた、揃い物の浮世絵。
簾がついた屋根舟から身を乗り出し、肘まで腕を出して夢中になって釣りをする美人が描かれている。こま絵には、隅田川から見た首尾の松が描かれている。首尾の松は隅田川沿い蔵前にある松で、枝が川面にさしかかるように枝垂れていた。現在は7代目が植わっている。ちょうどそのあたりは釣りの名所でもあることから、首尾の松は釣り船を伴って描かれることが多い。

《江戸名所百人美女・かやば町 1枚 歌川国貞(三代豊国)筆 江戸時代・安政4年(1857)》
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梅と福寿草の寄せ植えを片手で軽々と持ち上げる怪力の美人。目線の先には染付けの鉢に植えられた松、万年青、南天の鉢があることから、植木市に正月飾りを買いに来たのでしょう。こま絵は門人の歌川国久が描いた智泉院(茅場町薬師)。

18室 近代の美術

《朧月桜花 1幅 木島桜谷筆 昭和時代・20世紀》
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朧な月の光を受けて白い桜が輝いている。木島桜谷は京都の商家の生まれ。京都市立商業高校を中退し、19歳で今尾景年に入門。全国絵画共進会、内国勧業博覧会、文展などで受賞を重ね、文展では審査員もつとめた。円山四条派の写実に叙情性を加味した平明温雅な画風がよく表れている。

《平安神宮・円山公園 6曲1双 竹内栖鳳筆 明治29年(1896)》
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明治28年の平安遷宮一千百年を記念して平安神宮が新設された。この作品は翌年に記念行事に関係した役員に寄贈されたもの。新しい神宮を写生し、俯瞰的構図でまとめた右隻に、桜の名所として知られる円山公園を左隻を配する。栖鳳32歳の作品。

15室(歴史の記録 博物図譜)を通ったら、とても混雑していました。科博開催中の大英自然史博物館の影響?
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連休二日目の10時過ぎは、入場制限で100分待ちだったようです。

前回からあまり日を空けずに再訪したので、さらさらっと観られました。二週間に一度くらいの頻度で来れば、ちょうどいいんだけど、なかなかねえ。

2、8、10、11、13室にあったスタンプを押して、2017年限定の桜缶バッジを貰いました。

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向きを考えずに置いてしまったせいで、トーハクくんがフラダンスを踊っているように見えますが、本当は腕枕で横になっているポーズです。

正午を回ると春の日差しで暑いくらいになり、公園には人が溢れていました。
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3/22から新しく展示されるものがあるので、また近いうちに来る予定です。