高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの@東京国立近代美術館

薄曇り、前売り券を握りしめて久しぶりの国立近代美術館へ。
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高畑勲展です。予習に『かぐや姫の物語』のDVDを観ようかと思いましたが、平静を保てなくなるので観られませんでした。

www.momat.go.jp

(前略)常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を徹底して追求した革新者・高畑の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、他の制作者にも大きな影響を与えました。本展覧会では、絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫ります。

 本展は『かぐや姫の物語』の導入シーンに始まり、高畑勲氏とその時代のできごとを表した年表の後、氏が関わった作品ごとに数々のセル画や細やかな文字で書かれたノート類といった資料が展示されていました。所々にテレビアニメのオープニングや映画の予告編の映像があって、音に集中力を乱されやすい私には耳栓必須の展示環境でした。

 

展示中盤にはアルプスの少女ハイジのジオラマコーナーも設けられていました。
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ジオラマの横にスイスロケの映像が流れていて、現実にハイジの家があったことに、かなり感動しました。

これらの他、フランスの詩人ジャック・プレヴェールの詩集の翻訳に奈良美智の絵が加わった詩画集『鳥への挨拶』の展示もありました。好きなアーティスト同士のコラボレーション作品だなんて、何のご褒美かと思いました。

 

一周するのに約2.5時間。好きな作品については細かい文字を追って長く佇むこともありましたが、見ていない作品は流し見しての時間です。金曜日の夕方で混雑はありませんでした。低いところに展示されているものもありましたし、細かい文字で埋め尽くされたノートなどを読もうとするなら混んでいないタイミングを選ばないと厳しそう。

 

特設ショップでは、今回“初めて”展覧会の図録を買いました。展覧会での経験は会場と本ブログの中で完結させていたのですが、今回は特別です。本棚にスペースがないので、老眼で読みづらくなってきた本をいくつか廃棄せねば。
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『かぐや姫の物語』のグッズもたくさんありましたが、好きなものほど買えないんですよね、不思議と。その点『アルプスの少女ハイジ』なんてのはキャラクターが気に入っているので、グッズが買いやすい。

 

特設ショップを出てすぐのところに、フォトスペースが設けられていました。
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窓からアルプスの山々が見えます。
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このスペースでチーズとパンとスープの朝ご飯を食べたらさぞかしおいしいだろうなと。