三囲神社
牛嶋神社から徒歩3分で今回の散歩の目的地、三囲神社(みめぐりじんじゃ)に到着。東京があまりに暑いので、少し涼しくしてもらえないかと、夕立祈願です。
こちらは、宇迦之御魂神を祀る稲荷社です。お社は安政大地震後の文久2年(1862)に再建されて、明治に修繕されたものが残されています。
社殿は権現造。屋根にも狐の像がありました。
三囲神社は古くから三井家に信奉されました。三囲神社のある向島が、三井の本拠である江戸本町から見て東北の方角で鬼門だったことと、囲の文字に三井の「井」が入っているので「三井を守る」と考えられたためだそうです。各地の三越に分社されています。
下は、銀座三越の屋上庭園にある三囲神社(左の社)。この横に社務所もある。
三囲神社境内には三越にまつわるものがあちこちに見られます。例えば、池袋三越前にあったライオン像。
三井三店のひとつ向店が、享和2年(1802)に奉納したお狐さま。
パネルの説明によると、目尻のさがった温和な表情を、この辺の方は「みめぐりのコンコンさん」みたいと言ったそうです。
たしかに、とても温和なお顔をしています。
この神社は、元禄六年のひでりの際に、俳人宝井其角(たからいきかく)が雨乞いの句を捧げ、翌日降雨があったことで、広く知られるようになりました。
境内に句碑が置かれています。
「此御神に 雨乞する 人にかはりて 遊ふ田地や 田を見めくりの 神ならば 普 其角」
《◯三囲神社の夕立 3枚 鳥居清長筆 江戸時代・18世紀》
鳥居清長の絵では、空に雷神達が描かれています。
社殿の裏に回ると、摩訶不思議な気分にさせられる三柱鳥居があります。
この鳥居の他にも、三つ穴灯篭があったり、つくばいの屋根も三本の柱支えられていたりと、「三」にまつわるものが集められていました。
『江戸名所図会 7巻 松濤軒斎藤長秋 著 天保5-7(1834-1836)』の19に三囲神社が出ています。
『五元集』早稲酒や稲荷よひ出す姥かもと 其角
この日は完全にしくじりました。三囲神社を出てすぐに言問橋の方に向かって歩いてしまったので、隅田川に向かっている石造鳥居(堤下の大鳥居)の写真を取りそこねました。最も浮世絵などで描かれている鳥居だというのに。境内からは門が閉じられてて直接向かえなかったのです。
※後日、撮影しました。
《鈴木春信 百人一首「安倍仲麿」》にあるとおり、大鳥居の頭だけ見えるのが三囲神社の描かれ方です。
言問橋を渡って対岸から三囲神社を確認してみようと思いましたが、まったくわかりませんでした。
おそらく矢印のあたりです。
↓ 二度目の三囲神社めぐり。
https://isshokuta.kuruxkuma.com/2019-06-01-210640/
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