宇佐神宮

2022年5月20日

幾度の寄り道を経て、ようやく今回の目的地である宇佐神宮に到着しました。国道10号脇の駐車場を横目に最も西から表参道(北参道)へ入ります。

由緒

宇佐神宮御由緒

 当神宮は全国に四万社あまりある八幡社の総本宮であります。
 神代に比売大神(ひめおおかみ)が馬城の峰(大元山)に御降臨になった宇佐の地に、欽明天皇三十二年(五七一)に応神天皇の御神霊が初めて八幡大神としてあらわれ、宇佐の各地を御巡幸ののち、神亀二年(七二五)に亀山の一之御殿に御鎮座になりました。
 また、天平五年(七三三)比売大神を二之御殿にお迎えし、のち弘仁十四年(八二三)神託により神功皇后が三之御殿に御鎮祭されました。
 皇室は我が国鎮護の大社として御崇敬篤く、特に八幡大神が東大寺大仏建立援助のため神輿にて上洛されたこと、また和気清麻呂公が後等護持にかかわる神託を授かった故事などから、伊勢の神宮に次ぐ宗廟、我が朝の太祖として勅祭社に列せられております。

宇佐神宮御由緒 掲示板

表参道

大鳥居と社号標

宇佐神宮の一の鳥居は朱塗りの台輪鳥居(稲荷鳥居)です。雨除屋根のある笠木が大きく反り、根巻があります。額束や神額がないこのタイプを宇佐鳥居と呼ぶそうです。

一の鳥居をくぐってしばらく歩いて振り返ったところです。この写真の右に機関車があり、さらに右手が駐車場です。

26号蒸気機関宇佐参宮線26号蒸気機関車が保存展示されています。

明治24年(1891)にドイツ・ミュンヘン市のクラウス社が製造したものです。

参道前沿いに売店が立ち並びます。

御神橋

神橋で、宇佐神宮奥宮のある御許山から流れる寄藻川を渡ります。

下流側です。

川にはたくさんの鯉がいました。

狛犬と大鳥居が見えてきました。

狛犬は前足で珠と小鬼を抑え、胸元に鈴をつけ、両方とも阿形をしています。どうやら中国狛犬のようです。どこから持ってきたのやら。

大鳥居(二の鳥居)

巨大な宇佐鳥居です。

くぐった後、振り返ります。

左に厠、右に宝物館があります。大尾山参道を通ると、ここに出ます。

玉砂利を敷き詰めた参道をさらに進みます。

左が絵馬殿で右が神社庁、奥に参道が続きます。

宇佐神宮廰

社務所です。

参拝してから御朱印を貰おうと思って通り過ぎたら、帰路で池を回ったせいでここを通らずに境内から出てしまい、貰いそこねるところでした。境内は広いので、忘れないうちに往路で御朱印を貰っておきましょう。

境内図

宇佐神宮の公式サイトから境内地図(pdfファイル)がダウンロードできます。旅行前に印刷しておきながら、持ってくるのを忘れたりするもいるけどね。

手水舎

こちらの手水鉢は日本一大きな水盤だそうです。

国東地域は石材の宝庫なのに、こちらは山口県産なんですね。

コロナ禍のため、この手水舎は使われていませんでした。代わりに参道沿いに竹を渡し、穴から流水の出る臨時手水所が設けられていました。

崇敬会入会の案内と檜皮御奉賛のお願いが書かれた掲示板です。

皇族下乗

ここから先は皇族方も歩いて参拝なさるのでしょう。

手水舎を通り、さらに進みます。木立に隠れて右に見えるのは春宮神社。

祓所

儀式を執り行う前に関係者が禊を行う場所で、御食川(みけがわ )から分岐した流れです。

下宮(御炊宮)

我々は下宮から参拝しました。伊勢神宮と同じく、下宮は御饌を司る神様を祀っています。

下宮(げぐう)

御祭神
 一之御殿 八幡大神(応神天皇)
 二之御殿 比売大神
 三之御殿 神功皇后

 下宮は嵯峨天皇の弘仁年間(八一〇~八二四)に朝廷より造宮使が使わされ、上宮の御分身をお鎮祭し創祀されました。
 古くは御炊殿(おいどの)ともいわれ、神前にお供えする御饌(食事)を炊く竈殿(現下宮授与所)があり、農業・漁業をはじめとする一般産業の発展充実を御守りになる神様であります。
 上宮と同様に歴代の皇室をはじめ、国民の崇敬篤く、特に宇佐地方では「下宮に参らにゃ片参り」と称され親しまれております。
 また、一之御殿には、八幡大神を顕しになった大神比義(おおがのひぎ)の神霊を祀る、大神祖神社が相殿として奉斎されております。

  宇佐神宮庁

下宮 掲示板

階段上に朱塗りの宇佐鳥居。檜皮葺の雨除屋根が確認できます。

下宮参道。左手木製灯篭と重なって高倉、正面奥に下宮門があります。

高倉

高床式の檜皮葺の寄棟造り。祭器具等を納めているそうです。

下宮門

檜皮葺切妻屋根の四脚門を通り、下宮境内に入ります。

下宮拝殿

奥から手前に向かって一之御殿、二之御殿、三之御殿。拝殿は三社造りで、真ん中の二之御殿だけ大きめでそれぞれ向拝がついた檜皮葺切妻屋根。白壁朱漆柱です。

宇佐神宮の参拝作法は出雲大社と同じく、二拝四拍手一拝です。

一之御殿。御祭神は八幡大神(応神天皇)です。

二之御殿。御祭神は比売大神です。

三之御殿。御祭神は神功皇后です。

下宮本殿

横に回って本殿を確認します。瑞垣に遮られてよく見えませんが、三つの本殿はそれぞれが流造りのようです。

御食川

御食川(みけがわ)が下宮の南を流れます。御饌の調理に使っていた川です。

下宮を出て、上宮に向かいます。

上宮

正面に進めば上宮のある小椋山、右に行けば下宮です。左に少し写っているのは春宮神社。

上宮の大鳥居です。

鳥居をくぐって小椋山(亀山)を登ります。

西大門

いくつか階段を登った先に西大門が見えてきましたが、なにやら様子がおかしい…

なんと!西大門は令和の大修復中でした。

檜皮葺の唐門見たかったなー。残念です。

上宮本殿

気を改めて、上宮境内へ。入ってすぐに御本殿特別拝観の申込所がありました。

心惹かれましたが、何分我々はランニングウエアで着てしまっています。
いくらなんでも、ねぇ?

一旦境内ギリギリまで下がって、本殿が見えないか粘ってみましたが、屋根の先っぽしかうかがい知ることは出来ませんでした。

本家本元の八幡造り見たかったな。

後ろ髪惹かれつつ、拝殿へ向かいます。

上宮拝殿

手前から一之御殿、二之御殿、三之御殿です。拝殿は檜皮葺切妻屋根の三社造りで南面しています。真ん中の二之御殿がそびえるように大きく、両側の一之御殿と三之御殿は向拝がついています。白壁朱漆柱で華やかです。

願掛け瓢箪

瓢箪絵馬というものだそうで、願い事を書いた紙を入れて奉納するそうです。

お詣りします。
宇佐神宮の参拝作法は出雲大社と同じく、二拝四拍手一拝です。

一之御殿。御祭神は八幡大神(応神天皇)です。

二之御殿。御祭神は比売大神です。拝殿は楼門のような重層構造。上宮の南正門で南中楼門(勅使門)とも呼ばれます。随神は高良神と阿蘇神ということです。

これを楼拝殿とみるか、楼門と回廊の組み合わせと見るか分類は不明。

多くの八幡宮では主祭神の八幡大神を真ん中に祀るが、宇佐では比売大神をお祀りしている。元々の主祭神は比売大神と考えるのが自然な気がしてなりません。

三之御殿。御祭神は神功皇后です。

三之御殿の拝殿から二之御殿を覗き込み、申殿を見ました。

二之御殿だけ申殿とつながっています。申殿は壁のない開放的な造りです。八幡造りの入り口が妻側にあることや、二棟の屋根をつないだところにある金の雨樋が確認できます。

祈祷殿

宇佐神宮の個人祈祷は基本こちらで行われ、正式参拝のみ昇殿する仕組みらしい。

大元神社遥拝所

境内南側の一角に行列ができていました。

玉垣の一部が窓のようになっていて、大元神社の遙拝所になっているのでした。

大元神社のある御許山に向かって参拝します。

大元神社の写真が飾られていました。

交通の便が悪いので奥宮は断念します。

南大門

二之御殿の正面に南参道があります。立入禁止になっている先に急な階段。その先に南大門が見えます。

こちらが本来の参道だったのかもと思いながら覗き込みます。後で境内図を確認したところ、下宮方面から近くに行けるルートがありました。

これで上宮を離れ、広い境内をぶらぶら散策します。

大尾山参道

大尾山からまっすぐに続く大尾山参道です。

夏越祭りではここで流鏑馬神事が行われます。

宝物館と参集殿

菱形池

能楽殿

御霊水

宇佐神宮境内社 若宮神社

宇佐神宮境内社 春宮神社

宇佐神宮境内社 亀山神社

宇佐神宮境内社 木匠祖神社

宇佐神宮境内社 黒男神社

頓宮

頓宮

頓宮(とんぐう)は 仮殿(かりどの)、御仮屋(おかりや)ともいわれ、当神宮では夏越神幸祭(なごしのしんこうさい)(7/31~8/2)が斎行される際に3基の神輿(みこし)(御鳳輦 ごほうれん)が この頓宮まで御巡幸ののち遷御(せんぎょ)される。
この大祭は明治以前まで御祓会(おはらいえ)御禊会(みぞぎえ)とも称されたが 古式による独特な祓の儀、菅貫神事(すがぬけしんじ)が今も行われている。
 また現在の頓宮は昭和7年より始まった昭和大造営の折に新築されたものである。
 古く元慶4年(880)には33年毎の式年造替が行われ、この頓宮一帯に上宮、外宮、若宮の各本殿と寸分たがわない白木造りの「仮殿」が建てられた。
 しかしこの仮殿の造営も中世戦乱のため次第に行われなくなり、延宝8年(1680)には神橋付近に頓宮が造営され昭和初期まで使用された。
 尚、宝物殿には我が国最古の建築指図である「宇佐宮仮殿地判指図」(国重文・鎌倉時代)や、「応永の古図」また「宇佐宮絵図」が展示されており参考にされたい。

頓宮 掲示板

さすが稲荷社の次に多い八幡宮の総本社です。見どころが多いし立派でした。本殿の八幡造りが見られなかったのが残念でしたが、それも縁でしょう。我が家の氏神も八幡神社です。また新たな発見がありそうなので東京に戻ったら改めて神社にお参りしてみようと思います。

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