春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪(前期)@府中市美術館
2026年最も注目されている日本画展がいよいよ始まりました。東京都・府中市美術館開催の『春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪』です。
2017年に愛知県美術館での長沢芦雪展 京のエンターテイナー、2025年の紀伊旅行の際に串本応挙芦雪館を訪問を経て、ようやく地元東京で蘆雪展が開かれました。東京で64年ぶりだそうです。64年前にあった蘆雪展とは何だろうと調べてみたら、昭和37年渋谷東横百貨店催事場で毎日新聞社主催の『近世画壇の鬼才 南紀の蘆雪名作展』という図録がヒットしました。1970年出版の辻先生の名著『奇想の系譜』以前の展覧会ですので、今のような注目はなかったと思います。
府中駅に着いてまずは腹ごしらえ。湘南パンケーキ府中店で湘南ゴールドのハニーヨーグルトパンケーキを頂きます!湘南ゴールドは神奈川県西部域の在来種で、温州みかんと柚子の自然交配と言われています。大きさは小ぶりで直径5センチ程。レモンのような黄色い果皮が酸味を連想させて、食欲が湧きました。

パンケーキには、丸ごとコンポートにしたものが出てきました。とっても甘くて皮ごと食べられます。おいしかった。
府中駅を離れ、歩いて美術館に向います。途中、三本木通りという細い道の並木が満開でした。早咲きの桜かと思ったら、杏でした。そう思ってよくよく見ると、枝一面に密度よく花が付く姿は、桜というより梅に似ています。

駅から1.5キロ程歩いて府中市美術館に到着しました。ちょうど12時、正面玄関まで来て大行列に慄きました。Twitter(現X)で先月バズってたのは知ってたけど、開催二日目にしてこんなに注目されていたとは!!

外の行列はチケット購入の待機列だそうで、入場チケットを持っていた私はそこには並ばずにすみましたが、2階の展示会場に入るための待機列も別にあって、そこで30分並びました。なお物販のレジ待ちもすごいことになっていました。コインロッカーにも空きがないし、明らかにキャパオーバー。開催二日目でコレだから、大物が来る後期はどんなことになることやら。先が思いやられます。

展示室内も案の定の混雑。人気の展覧会にありがちな現象で、作品の前には牛歩鑑賞の人垣が出来ています。展覧会の入口付近に見応えのある作品ってあんまりないと思うんだけど、なんで皆さん並ぶのでしょう?並んでる内に集中力が切れて、後半保たないと思うけどなあ。
気になった作品だけ行列の頭越しに単眼鏡で観ていきます。往々にして、私が気になる作品にはあまり人垣ができないので、特に並ぶ必要がありませんでした。
展示予定表を持たず、メモも取らずに鑑賞したため、何がどの作品だったかうろ覚えですが、特に印象に残っているのだけピックアップしておきます。愛知県美術館やその他で繰り返し観ている作品は印象が強く、より目に残りやすいきらいはあるけれど、そうだとしてもなお、記憶に残ったものはやはり私の好みなんだろうと思います。
17《那智山瀑布図 長沢蘆雪 個人蔵》
昨年那智の大滝を観たばかり。応挙の巨大な《大瀑布図》を思い出す。
すぐ近くにもう一作、掛け軸でまっすぐに細く白い水が落ちる絵があったが、展示一覧を見ても作品名がわからない。
22《楚蓮香図 長沢蘆雪 個人蔵》
蘆雪は美人画も美味い。
47《鍾馗・蝦蟇図 長沢蘆雪 個人蔵》
筆の早さが感じられる迫力の作品。かっこよかった。
59《大津絵見立 忠臣蔵七段目図 紀楳亭 個人蔵》
唐突に大津絵が出てきて、驚いた。蘆雪の寿老人との比較?
仮名手本忠臣蔵七段目、仇討ちを計画する大星由良助が茶屋の縁先で密書を読んでいると、2階から遊女おかるが、縁の下では裏切り者の九太夫が密書を覗き見る場面。この大津絵では、外方(寿老人)がおかる、大黒が由良助、鬼が九太夫に見立てて描かれている。
◎64《蓬莱山図 長沢蘆雪 文化庁》
展示会場入ってすぐの企画展示室1にあった。それほど大きくないものの、やまと絵の伝統継承したとても美しい作品。
96《花鳥図屏風 長沢蘆雪 株式会社千穂ホールディングス》
これも企画展示室1で、蘆雪の気味悪さが印象に残った。右隻、くり抜かれた岩から覗く水景が、ちょうど折り目と重なって飛び出して見える。左隻の藤が薄いのもあって、余計に右隻が手前に見えてくる。屏風は折られた状態で鑑賞しないとわからないもんだ。
97《人物鳥獣図巻 長沢蘆雪 京都国立博物館》
仔犬と猿と鴉の部分が広げられていた。特に鴉がよい。どれか一つだけ貰えるとしたら、今回はこれが一番欲しかった。
107《唐子遊図襖 長沢蘆雪 個人蔵》
凧を取ろうと豚の背に乗る唐子、引きづられる犬、保定される犬。
108《唐子遊図襖画稿 長沢蘆雪 八幡神社(福井県敦賀市)》
名前の通り107の画稿。
109《狗子図 俵屋宗達 個人蔵》
大好きな宗達だけど、いまだかつて宗達の描く犬で可愛いのはいない。首が変な曲がり方してたり、白目剥いてたり。たらしこみだけはさすが。
124《寒山拾得図 長沢蘆雪 個人蔵》
拾得の足元で画角にギュウギュウに詰め込まれて描かれているのに笑わされた。
128《十二支図長沢蘆雪 摘水軒記念文化振興財団》
企画展示室3の蘆雪犬コーナーにあったので、虎の尾にしがみつく仔犬と、その横の魂の抜け殻みたいな雑な仔犬につい目を取られ気味だったけれど、白い雲を切り裂いて現れる龍の迫力と、腰を下ろす馬とその背に座る猿、番の鶏等々、目を惹く箇所が多かった。山羊??
130《菊花子犬図 長沢蘆雪 個人蔵》
可憐な野菊とムクムクに転げ回る九匹の仔犬。仔犬のやわらかな毛並みが伝わってくる。
この後、常設展でコレクション展を観ました。気になったものをメモ代わりに以下に記します。展示作品は、府中市美術館のオンラインデータベースで閲覧ができます。
《旧東海道馬入茅ヶ崎間左富士山 五姓田義松 制作年不詳》
《風景 熊谷守一 制作年不詳》
《水の蜃気楼 難波田史男 昭和43年(1968)》
《午後 牛島憲之 昭和8年(1933)》
《かま場 牛島憲之 昭和33年(1958)》
モザイク画のような画法が面白い。











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