御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」展(前期)@東京国立博物館 本館

春分の日、上野公園前はすっかりピンク色でした。
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前記事から2日でこんなに咲いた!早いなあ。

毎度毎度のトーハクです。
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この日は、本館 特別4室・特別5室で開催中の御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」展を観ました。

www.tnm.jp

メイン展示室に入ってすぐに天皇皇后陛下の即位の礼のお写真が飾られていました。天皇陛下は黄櫨染御袍、皇后陛下は大垂髪で花橘の五衣に唐衣と表着を重ねたものをお召しになられていました。

以下、気になったものについてメモを残します。

御即位

《1 悠紀地方風俗歌屛風 [悠紀]東山魁夷筆 6曲2双 平成2年(1990)宮内庁用度課所管》
大嘗祭では、予め選ばれた京都以東以南の悠紀地方と、以西以北の主基地方の両地方の斎田でとれた新穀を献上する。本品は御即位に際して行われた平成2年(1990)の大嘗祭に用いられた儀式用屏風。この時、悠紀地方に秋田県、主基地方に大分県が選ばれたため、その四季風俗が屏風に描かれた。前期の悠紀地方風俗歌屛風には、紺色のすやり霞に、秋田地方の海岸の春と雪山の見える紅葉が描かれている。角館のしだれ桜、男鹿半島の夏の海景、抱返り渓谷の紅葉、雪の田沢湖。

春 ももとせを こゆるさくらぎ さきそろい さかえゆくはる かくのだてまち
夏 なつすずし おがのみさきの あおなみに おだしくうかぶ あまたこじまは
秋 きりぎしを もみじおほひて かがようや みずはみどりの だきがえりのたに
冬 あらたよと このひあけゆく たざわこに あふぐこまがね ゆきにましろき

御誕生

《2 霊峰飛鶴 堂本印象筆 6曲1双 昭和10年(1935) 宮内庁三の丸尚蔵館》

天皇陛下のご誕生をお祝いして作られた屏風。右隻には空に羽ばたく二羽の鶴、左隻には富士山と瑞雲が描かれているが、富士山の大部分は手前の青々とした山に遮られている珍しい構図。

外国ご訪問と文化交流

《4 小栗判官絵巻 岩佐又兵衛筆 15巻のうち2巻4 小栗判官絵巻 岩佐又兵衛筆 15巻のうち2巻(巻第十、巻第十五) 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館》
今上天皇が平成10年(1998)の英国、平成17年(2005)のノルウェーご訪問の折に紹介されたもの。展示は十巻16段で照手姫が100人の遊女の世話をする場面。金を多く使った色鮮やかな画面は実にきらびやか。巧みな人物描写にも注目です。

《5 源氏物語図画帖 伝土佐光則筆 1帖 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館》
こちらも平成17年(2005)のノルウェーご訪問、平成21年(2009)のカナダご訪問の際に紹介されたもの。展示は夕顔、若紫、末摘花、紅葉賀の場面。まるでお雛様を見るような、雅な雰囲気が楽しめました。 

皇后陛下とご養蚕

《9 養蚕天女 高村光雲作 1点 大正13年(1924) 宮内庁三の丸尚蔵館》
近代以降の歴代皇后は、明治期に昭憲皇太后が始められた皇室ご養蚕を引き継がれています。本作はご養蚕の守護神として、蚕蛾を象った宝冠、手には眉、足下に桑の葉が表された。

《15 イヴニングドレス、コート 1組 昭和時代・20世紀 宮内庁侍従職所管》
昭和50年(1975)のネパール国王戴冠式ご列席の折にお召しになったドレスで、菊の文様がある佐賀錦。佐賀錦は、経糸が箔糸(金銀箔を漆で和紙に貼り、細く切ったもの)、緯糸が絹で織られる。

 

第二展示会場は天皇皇后両陛下の外国訪問のお写真の展示が中心でした。

 

トーハクの中庭の桜は、もう少し。
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