日本美術の流れ@東京国立博物館 本館

トーハク中毒も極まれり。禁断症状で三日と空けず来たくなります。季節がよくなってきたのでますます通いそう。年間パス様々。

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江原道の羊石像を前に、新しく買ったスマホ用の魚眼レンズで試し撮り。

本館8室 書画の展開―安土桃山~江戸

本日のお目当てはこちら。

重要文化財 酒井抱一筆《夏秋草図屏風》2曲1双 紙本銀地着色 文政4年(1821)頃

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銀地に,驟雨に見舞われた夏草と,強風に靡く秋草を描いた抱一の最高傑作。夏草図には急な雨による水の流れを,秋草図には宙に舞う蔦の紅葉を描き添える。宗達の風神雷神図を模写した光琳の屏風の裏面に描いたもので,琳派の系譜を象徴的に表した作例といえる。近年,この図の下絵が発見され,貼紙より一橋家の注文により抱一が文政4年(1821)に描いたことがほぼ確実となった

夏秋草図屏風

部分拡大。ススキの穂先まで細やかに描かれています。

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写真の視野が丸く蹴られてしまうのは、スマホのレンズに単眼鏡を重ねて無理やり撮っているからです。

 

林十江筆《鰻図》紙本墨画 江戸時代・19世紀

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もつれあって泳ぐ鰻。上部の影は濁りを表したものか。つい最近、志布志市のUNAKOが顰蹙を買って削除される騒動があったので目に止まりました。鰻を描くなら下品な動画よりもこっちの方がいいわ、って比べるまでもないですね。

 

7室 屏風と襖絵―安土桃山~江戸

重要文化財 俵屋宗雪筆《秋草図屏風》6曲1双 紙本金地着色 江戸時代・17世紀

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金地を透かせて伸びる緑青の緩やかに起伏する野辺に、萩・芙蓉・女郎花(おみなえし)をいった秋の草花が咲き乱れている。一双に続く土坡の連なりとその重なりは、動きのある草花の配置と相まって、澄み切った秋の空をも想像させる広やかな空間を生みだしている。
「宗雪法橋」の落款と、基準となる「伊年」の朱文円印があり、俵屋宗達なき後工房を継承していった宗雪が法橋になったと推定されている。寛永16年から19年(1639~42)以降の作であることがわかる。なお、両隻の左右を入れ換えても連続する画面となるように構図されている。

秋草図屏風 – e国宝

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花びらは胡粉を厚く盛り上げて描かれています。

 

本館10室 浮世絵と衣装―江戸(浮世絵)

鈴木春信筆《坐鋪八景・時計の晩鐘》江戸時代・18世紀

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行水の後なのか、ゆるく着物をまとっている。左の女が時計の音に振り返っている。南蛮由来の時計、背後の竹の衝立が女の暮らしを表す。坐鋪八景は中国の伝統的な画題「瀟湘八景」のパロディとして、女性の暮らしを描いたシリーズ。この絵は「烟寺晩鐘」という夕霧に煙る遠くの寺より届く鐘の音を聞きながら迎える夜という画題からきたもの。錦絵の初期の作品。

 

鈴木春信筆《坐鋪八景・塗桶の暮雪》江戸時代・18世紀

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これも同じく「瀟湘八景」の「江天暮雪」という、日暮れの河の上に舞い降る雪という画題のパロディ。この作品では女が塗桶で綿を作っている場面。綿の白を雪に見立てている。

 

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白い綿は和紙の白を生かして絵具を使わずに空摺で表現されている。

 

宮川長春筆《乗鶴美人図》紙本著色・掛幅装 江戸時代・18世紀

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宮川長春(ちょうしゅん)は先行する菱川師宣や懐月堂派に学び、豊潤、優麗な肉筆の美人画で一家を成した。春画にも優品が多い。日光東照宮の彩色修理を手伝ったが依頼主が資金を着服したため報酬を貰えず、催促に行った折に暴行を加えられる。長春の長男が報復のために弟子らを引き連れて夜襲し依頼主やその家人を殺害。長春も間もなく71歳で死亡した。

 

乗鶴美人の画題は、中国の控鶴仙人を見立てたものと解釈される。鶴仙人には、費長房(ひちょうぼう)、王子喬(おうしきょう)、黄鶴楼(こうかくろう)など何人かいて、鶴の背に乗り、経巻を紐解きながら空中にいる人物として描かれる。

 

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 眉と目が平行に描かれ、きれいな顔立ちをしています。本を持つ右手、立てた小指がなまめかしい。

 

喜多川式麿筆《手をふく美人図》紙本着色 江戸時代・19世紀

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喜多川式麿(しきまる)は歌麿の門人としているが、伝存する作に文化以前のものが見出せないことから、歌麿門下の喜多川月麿の門人であろうといわれている。

遊女の寝姿での手ふきの立ち姿を描いた作品。おそらく、手洗いの後の様子でしょう。

 

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現代の感覚そのままで見ても美人です。

 

歌川広重筆《木曽海道六拾九次之内・長久保》江戸時代・19世紀

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白犬の背に乗る子ども。茶色のは猿に見えますが、現実的に考えて、これも犬でしょう。耳が垂れているから仔犬なのかも。

 

まだまだ見て行きたかったんだけど、今日はここで体力を使い果たすわけにはいかず、後ろ髪を引かれつつ退出。欲望のまま行動すると、ここで一日過ごす羽目になる。おそろしや、トーハク沼。