文殊仙寺

役行者によって開かれたとされる六郷満山の中でも随一の古刹、文殊仙寺を回ります。

参道入口に可愛らしい石仏がありました。牛に乗っているから大威徳明王だと思ったけど、家に戻って調べたら、国東半島には「牛乗り大日」の石像が多くみられるそうで、どうやらこれも大日如来らしい。確かに智拳印を結んでいます。

ことわざ「三人寄れば文殊の知恵の知恵」の発祥の地と主張しているようです。

仁王石像

《◎仁王石像 永和元年》

山門

長い長い石段を登ります。熊野磨崖仏で約200段、富貴寺で数十段、両子寺で200段弱上った後なので、そろそろ足に疲れが来ています。ちなみに、こちらは約300段。

上っても上っても先にまだ階段が続きます。

奥の院

奥の院が見えるところまで上ってきました。常香炉と回向柱がありました。

奥の院の御本尊は文殊師利菩薩です。以前、大分県立歴史博物館で見た元三大師もこちらの所蔵とのこと。奥の院の前にあった石籠は、胴体が狛犬でとても良かった。

木造懸造りの堂々としたお堂です。

たまたま12年に一度の御本尊御開帳のタイミングだったので、最後の階段を上がった先に受付がありました。特別拝観料として800円を払い、御札とお守りを頂きます。

それにしても見事なパンフレットでした。ブランディングが効いてるなあ。

御開帳された御本尊の前でお坊さんの説明を聞くことができました。

日本三文殊
智恵を司る大吉祥菩薩

本殿奥之院文殊堂は古の創建ののち江戸期に幾度となく改修を重ね、当時の姿を今日に残す当山最古の建築物です。時の小倉城主、細川公の寄進とされております。
御本尊の文殊師利菩薩は卯年の守り本尊であることにちなみ、十二年に一度卯年の春と秋の大祭において御開帳いたしております。「三人寄れば文殊の智恵」の諺にあるように、智恵第一の仏として、学問はもちろん人生を生き抜く智恵をお授けする非常に縁起の良い大吉祥菩薩として古来より信仰されております。

文殊仙寺 パンフレット

こちら通常時は拝観料無料です。階段を苦労して上ってきて最後に拝観料を取られたのがよほど癪にさわったのか、年配の男性が頭から湯気が出そうな剣幕で怒りちらしていました。そりゃあ入り口に書いておくのが親切だとは思うけど、お参りに来てそこまで怒る必要はないんじゃないか?

本堂

平入向拝付の本堂に上がってお詣りします。

小学校に上がるかどうかくらいの子供が泣きながら階段を上ってきました。「怖いよー」と叫んでいます。誰だよ、脅したのは。

上で親父が怒鳴り散らし下から子供が泣き叫びながら上がってくる……とても印象に残るお寺です(汗

梵鐘

宝篋印塔

密教由来の経文「宝篋印陀羅尼」を内に収めた供養塔です。

ここから瀬戸内海が望めます。

大欅

特別保護樹木に指定されている樹齢千年以上とされるケヤキ。

このすぐ手前で主人がひどく捻挫して、動けなくなりました。

別府の湯治場を散々回った後、六郷満山巡りの出来事です。本来なら命に関わる重大事故になるところ、文殊菩薩のご加護で捻挫ですんだということにしておきましょうか。