初詣@瀧泉寺

2022年4月19日

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年も博物館巡りで楽しく過ごそうと思っています。変わらぬ、お付き合いをよろしくお願い申し上げます。

 

近々、ブリーダーを営んでいる知人の犬が出産を控えているので、初詣は犬に縁の深い龍泉寺へ行きました。こちら、子連れ犬像がたくさんあるので犬好きには有名なお寺です。いや、犬に関係なく、歴史も古く江戸三大不動のひとつ、目黒不動尊としてよく知られているのですが。

 

瀧泉寺開山以前の地主神「大行事権現」の神使である和犬の像。仁王門をくぐった先の広場にあります。和犬は立ち耳なので、耳を後ろに引いている様子を表わしているのかもしれません。犬語では畏怖や甘えの意味があります。前脚の間に仔犬がいます。
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乳があるのでこっちが母犬。
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うっすらと口が開いていて犬歯が見えます。耳を引いているので、これは威嚇の顔です。追い詰められた母犬が仔犬を必死に守ろうとしています。まだ腰を上げていないので、飛び掛ってくるまでもう少し余裕が見えますが、これ以上近づいてはいけないようなので、距離を保って参拝。

 

前不動堂(東京都指定文化財)の前にも和犬像があります。こちらは頭を下げて畏怖を表わしています。ここでは片方しか紹介しませんが、これも向かい合って対になっています。f:id:Melonpankuma:20170105194119j:plain

この他にも独鈷の滝の周りとか、境内のいろんなところに犬の像があります。

《銅造役の行者倚像 江戸時代後期 寛政8年(1796年)目黒区指定文化財》

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女坂の途中、神変大菩薩として祭られているのは、修験道の祖として崇拝されている役の行者(役小角)です。像の腹、胸、腕に刻銘があり、願主の名や、神田の鋳工、大田駿河守藤原正義の作であることがわかります。お参りすると脚や腰を強くしてくれるという言われがあり、多くの人がなでるので像の脚が光っていました。

大本堂です。
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参拝した後に単眼鏡で本堂の奥を見てみると、黒い御本尊が見えました。不動明王なので力強い憤怒の表情です。色彩が施された脇侍が両脇にいます。不動明王というのは破邪顕正の明王として、全ての災難厄難を退けて福となす、福寿開運の仏だそうです。

実は、瀧泉寺の御本尊は秘仏で、通常は見ることができないそうです。しかし、十二年に一度だけご開帳があり、それが酉年の今年。知らずに行ってみたら、ご本尊を拝めたという偶然。今年は先行き良さそうです。

本堂の天井を見上げると立派な龍の絵がありました。《波涛龍図 川端龍子》です。本堂内の撮影は禁じられているので、記憶にだけ残しました。

《銅造大日如来坐像 江戸時代 天和3年(1683年)目黒区指定文化財》

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本堂の裏に回ると、不動明王の本地仏である大日如来像がありました。パーツを鋳造して組み合わせた吹き寄せという技法で作られています。台座部分に刻銘があり、天和3年に鋳物師、横山半右衛門尉正重が作ったことがわかります。江戸時代には堂舎に納められ、その後は長い間露座でしたが、現在は八角形の覆屋根が設けられています。

大日如来を守護するように四隅に四天王がいます。
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左上から時計周りに、広目天(西)、増長天(南)、持国天(東)、多聞天(北)です。

 

さらに、この奥に鳥居があって地主神である大行事権現が祭られていました。初詣だし神使いの和犬像に会いに来たのなら、実はこっちにお参りするべきだったんじゃないかと、記事を書きながら思った次第です。 

 

※1月7日、母犬仔犬共に無事に出産を終えたとの知らせ。近々瀧泉寺和犬像にお礼参りに行きます。