火男火売神社下宮

ゴールデンウィークの別府温泉巡りの途中、火売というまさに別府といった名前の地区で大きな神社に行き当たりました。

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火男火売神社下宮(ほのおほのめじんじゃ げぐう)です。

下宮とあるからには少なくとも上宮があるはずだけど、周囲に見当たりません。ともかく、神社に行ってみましょう。

表参道

発電設備からすぐに鳥居がありました。

一の鳥居は石造りの明神鳥居です。

二の鳥居は大分県に多い石造りの台輪鳥居です。石灯籠も立派ですね。

由緒

火男火売神社由緒

當火男火売神社は一名鶴見権現とも敬称し今から壱千四十年余、醍醐天皇の御代延喜年間に朝廷の神名帳に登載 され(これを延喜式内と云う)降って江戸時代は玖珠藩主、久留島家代々の尊崇を受け明治十二年七月六日大分県下屈指の県社に列せらる。

御祭神
 伊邪那伎神
 伊邪那美神
 火迦具土神

今を去る壱千百二十三年前の嘉祥二年に時の朝廷より従五位下の階位を壱千百五年前の貞観九年一月二十火うしろに聳ゆる鶴見山(海抜一、三七五米)が大爆発を起こした際これを鎮められた功績により従五位上の階位を賜はった神様である(続日本後紀三代實録参照)この爆発鎮静の際に鶴見山麓一帯に世界的有名な別府温泉を恵み給った火の男女の神様である。

 文久四年壱千年祭、昭和三十四年壱千百十年祭を 厳かに執行した。

昭和四十七年十月吉日

火男火売神社由緒 案内板

拝殿

参道から階段を上がったところに社殿があります。

権現造りで、拝殿には銅板葺入母屋屋根に千鳥破風の向拝がつき、しめ縄と紫地に「折敷に波三文字」と「対い鶴」の拝殿幕で飾られています。歴史を重ね、堂々とした風格が感じられます。

本殿

裏に回って本殿を見ます。側面が開け放たれた幣殿とつながった銅板葺の流造です。八幡社の多いこの地方で素木造りなのは珍しいかも。

裏に回れるようになっています。本殿平側は蔀戸で、右側に入口のある妻入りになっていました。まるで大社造を横に向けたような形式でした。面白い。深い軒下が雨の多い地方であることを物語ります。

本殿の裏が回れるので、出雲大社本殿近の瑞垣にあったように、賽銭箱が置かれていました。神様に一番近いところでお詣りしたい気持ち、私もわかりますよ。

境内社

火の神様、秋葉社もありました。

境内

神楽殿は瓦葺き寄棟造りの四方開け放ち。小棟に鯱が乗っているのは神仏習合時代の名残ですね。

神馬像

神池に錦鯉が泳ぎます。

狛犬

社殿の前の狛犬が大変よいお顔でした。阿形は背中の皺からもわかるとおり体にみなぎる緊張がよく現れていて、吽型の威厳ある穏やかな姿とよい対比となっています。

阿形は口に玉入りです。

南門側の狛犬はお顔がだいぶ欠けてしまっていまい、大分個性的な顔になっていた。着色がわずかに残っています。元のお顔はどんなだったのでしょう。

この日、ホテルに戻って改めて調べたところ、上宮は鶴見岳山頂、中宮は鶴見岳中腹にあることがわかった。

1989年刊行の『別府史談』内に『火男火売神社の事 : 別府温泉の守り神」として詳細があった。download ボタンから pdf ファイルがダウンロードできる。