日本美術の流れ@東京国立博物館 本館

京橋の加島美術の後、上野に移動して今年6回目の東京国立博物館へ。
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この日はトーハク内でナイキ エア マックスの誕生30周年イベントAIR MAX REVOLUTION TOKYOをやっていたので、ナイキを履いた人がぞろぞろと表慶館に向かっていました。
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昨年から毎月トーハクに通っているのに、未だ表慶館には入ったことがありません。ここっていつになったら一周できるのかしら。

さて、いつものように本館の常設展へ向かいます。3月22日に展示替えがあり、博物館でお花見をに関連した桜モチーフの作品が増えていました。

以下、気になった作品をメモとして残します(◎は重要文化財)。

3室 宮廷の美術―平安~室町

《◎月次風俗図屏風 8曲1隻 室町時代・16世紀》
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伝統的なやまと絵の画題である月次絵(つきなみえ)の形式で、季節や月の行事を表した屏風。1扇には正月の風景で羽根突、毬打、松囃、2扇には花見、3扇と4扇には田植、5扇には賀茂競馬と衣更、6扇には犬追物と蹴鞠、7扇には富士の巻狩、8扇には春日社頭の祭と雪遊びが描かれている。耳がやたら長い兎、田植えに用意されたてんこ盛りの食事、大きな雪玉などいちいちが面白い。

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《打毬図 1幅 室町時代・16世紀》
毬打は棒で毬をゴールに投げ込む球技で、旧暦五月の端午の節句に宮中で演じられていた。

《おいのさか図 1幅 鎌倉時代・14世紀》
人の一生を山登りに例えた作例。下の画面、家の中の両親が見守る中、猫と遊ぶ子どもの姿、庭には賭弓、竹馬で遊ぶ子ども。上の画面には男が山をのぼりつつ成長し、老い、死にゆく様が描かれる。山には梅、桜、松、紅葉、落葉する樹木がある。

7室 屏風と襖絵―安土桃山~江戸

《源氏物語図屏風(若菜上) 6曲1隻 伝土佐光則筆 江戸時代・17世紀》

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源氏物語の若菜上を描いたもので、猫が御簾を開けるハプニングで、女三宮が庭で蹴鞠をしていた柏木に姿を見られてしまう場面である。御簾の緑と左下の松の緑で囲った空間に、咲きほこる桜の木と蹴鞠をする若々しい公達を配する。女三宮と目を合わせているのが柏木、それを見ているのが夕霧だろう。近年描かれたかのように退色が感じられないことに驚いた。

《桜山吹図屏風 6曲1双 俵屋宗達筆 江戸時代・17世紀》
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絵、俵屋宗達で書、本阿弥光悦の六曲一双の屏風。桜と山吹が咲きほこる春。三つの半円状の色面で大胆に区画し、各面の左奥に山吹を置き、桜木立の垂直線を繰り返す。意匠性ゆたかな画面構成は、まさに宗達風。貼付色紙の多くが慶長10年(1605)頃書と推定され、画は寛永年間(1624~44)の作と見られている。色紙は金銀泥で草花が描かれて美しく装飾されているが、変色していて読みにくい。 
それにしても、このデザイン性には驚かされる。宗達はかっこいいなあ。

《吉野山図屏風 6曲1双 渡辺始興筆 江戸時代・18世紀》
こちらは撮影不可。緑で塗られた吉野の山々に桜の花が咲きほこる。金色で空と霞が表されて豪華でした。

8室 書画の展開―安土桃山~江戸

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《呉美人図 1幅 長沢芦雪筆 江戸時代・18世紀》
松の幹にもたれ、巻子を口元に笑みを浮かべて読む美女。恋文?足元に蓮華筆。髪や肌の質感が見事。芦雪の描く美女は、現在の感覚で見ても美しい。
《桜下美人図 1幅 長沢芦雪筆 江戸時代・18世紀》
豪華な着物の娘と侍女。右袖に落ちる一片の花びら。右下の三羽の蝶。

《◎蔦の細道図屏風 6曲1隻 深江芦舟筆 江戸時代・18世紀》
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伊勢物語の第九段、東下りの途中、駿河の宇津の山にさしかかった業平の一行が顔見知りの修行者に出会い、都に居る恋人への文「駿河なるうつの山辺のうつつにも夢にも人にあはぬなりけり」を託す場面を描いたもの。半円状の山を重ね、蔦や楓が茂る、山奥の情景を意匠性ゆたかに描写している。

10室 浮世絵と衣装―江戸(浮世絵)

《東都名所・吉原仲之町夜桜 1枚 歌川広重筆 江戸時代・19世紀》
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空に浮かぶ満月を中心に、吉原のメインストリートを二点透視図法で描いたもの。禿二人を従えた遊女が歩いているので、まだ宵の口なのだろう。灯篭に照らされる桜がやけに細いのは、季節に合わせて木々をわざわざ植樹していたから。

《山海愛度図会・花をごらんあそばしたい 1枚 歌川国芳筆 江戸時代・嘉永5年(1852)》
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こま絵に諸国の風景や名産を入れた美人大首絵で副題を「~したい」にした揃物。牡丹柄の着物を着た遊女。髪には豪華な花簪。胸元の小物にも鈴がついている。花簪と鈴で、シャラシャラ鳴らして歩いたのだろう。こま絵には「対馬 昆布海苔」とあり、海にもぐって昆布をとる様子が描かれている。

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《桜下遊女と禿図 1幅 川又常正筆 江戸時代・18世紀》
桜の木の下で椅子に腰掛け、煙管を片手に寛ぐ遊女。傍の禿が煙草の道具を持っている。

《遊女道中図 1幅 二代鳥居清元筆 江戸時代・18世紀》

桜の下、髪を立兵庫に結い、黒の地に扇子と桜柄の打掛を着た花魁を先頭に、針打島田の禿を二人を挟むようにやや各下の遊女が歩く。

《桜下遊女と禿図 1幅 鳥文斎栄之筆 江戸時代・18世紀》
花弁が散る桜の木の下、長い簪を刺しポニーテールに結った髪を紺色の布を巻いて長く垂らした遊女と針打島田の禿。着物の柄がユニークで、桜の花とお多福みたいな顔が描いてある。遊女の顔もどこか飄々としている。

《桜下遊女図 1幅 二代歌川豊国筆 江戸時代・19世紀》
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豪華な八重桜の下に立つ、立兵庫に鼈甲の大きな簪をたくさん挿した遊女。きりっとして緊張感のある表情。着物の描き方が意匠化されて、まるでスクリーントーンを貼ったかのよう。その分、絵柄がわかりやすくて美しい。

12室 漆工

《◎比良山蒔絵硯箱 1合 塩見政誠作 江戸時代・18世紀》
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(裏面から)
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金の薄肉高蒔絵・研出蒔絵を主体に精緻に仕上げられた硯箱。蓋の表に浮き舟、裏に桜の木が描かれている。比良山地は古くから山風や花の名所として知られ、新古今和歌集では「花さそう比良の山風吹きにけり 漕ぎゆく舟のあとみゆるまで」と詠われている。

《桜蒔絵十種香箱 1具 江戸時代・19世紀》
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組香の用具と、それを納める二段重ねの箱。表面を黒漆塗とし、桜の花と花弁を金、銀、朱の蒔絵に金貝を交えて描いている。

13室 陶磁

《◎色絵桜楓文鉢 法螺貝印 1口 仁阿弥道八作 江戸時代・19世紀中頃》
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江戸後期の京焼きを代表する陶工、仁阿弥道八(にんなみどうはち)は、仁清や乾山の写しにも優れていた。この作品は、乾山が得意とした透反鉢をもとに、器の内外面に桜と楓を描いたもの。道八の代表作のひとつで、法螺貝の印が捺されている。

 

お花見シーズンに合わせて開放されている庭園では、エドヒガンザクラが見頃を迎えていました。
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平日美術館さんの情報で暁斎の絵があると知ったので、帰りに上野公園を縦断しました。西郷隆盛像のすぐ近く、上野の森さくらテラスの建物屋上部分にあります。
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手前が《東京名所之内 上野山内一覧之図 惺々暁斎》をタイル画にしたもので、明治14年に上野で開かれた第二回内国勧業博覧会を描いたもの。奥は《東都名所 上野東叡山全図 一立斎広重》です。