安房神社

2024年5月3日

千葉県館山市にある安房国一宮安房神社(あわじんじゃ)は、律令制下にあった名神大社で八神郡のうちの一つ。古代安房国は、神饌となるアワビの貢進地、御食国(みけつくに)として重要視された。

一の鳥居

安房神社の一の鳥居は境内の北端にあり、参道は天神山のある南に向かっている。

二の鳥居

社務所

御手洗池の向かいに社務所。この先、手水舎があって参道は西に折れる。

由緒

由緒

房総半島の南端神戸郷に鎮り座す旧官幣大社安房神社は、天太玉命を主祭神に天比理刀咩を配祀として奉斎し、摂社下の宮には天富命を祀る
延喜の制には大社に列せられ、名神祭に預る安房国唯一の由緒深き名社である
本社の祭神天太玉命は中臣氏の祖神天児屋根命と相並んで天照皇大神 の側近に奉仕し祭祀を司どられた重要な神に坐します。
天照皇大神が天石窟に御幽居あらせられた時には、天太玉命は天児屋根命と共に大神の出御を祷り遂に再び大御神の天日の如き御威徳を仰ぎ奉られたのである
安房開拓の神として当社の下の宮に祀らるゝ天富命は、天太玉命の御孫にあたらせられる
天富命は四国の阿波国忌部族の一部を割いて関東地方に大移動を起し、最初に占拠されたのが房総半島の南端、即ち現在の安房神社の鎮座地であって茲に本拠を定めて祖神天太玉命の社を立てた後、次第に内地の方に進みこ
の半島に麻穀を播殖しその産業地域を拡められたのである
安房神社の御祭神は日本産業の総祖神として崇められ更に現在では家内安全、交通安全守護神、厄除開運等、関東地方随一の神社として信仰が厚い。

安房神社由緒案内板

本殿

本宮(上の宮)の御祭神は、主祭神を忌部の祖神天太玉命(あめのふとだまのみこと) 、相殿神がその后神、天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと)並びに、忌部五部神の櫛明玉命(くしあかるたまのみこと)、天日鷲命(あめのひわしのみこと)、彦狭知命(ひこさしりのみこと)、手置帆負命(たおきほおいのみこと)、天目一箇命(あめのまひとつのみこと)である。

記紀において、天太玉命は岩戸隠れの際に占い、天孫降臨の際には瓊瓊杵尊に従って天降るよう命じられ、五伴緒の一人として随伴したとされる。

本殿は天神山を背に、東向きに拝殿がある。拝殿は鉄筋コンクリート製の神明造り、幣殿でつながる本殿は檜皮葺の神明造りで7本の鰹木、内削ぎの千木がある。本殿北側に神饌所が接続する。

本殿の裏には安房神社洞窟遺跡がある。

摂社 下の宮

祭神は天富命(あめのとみのみこと、天太玉命の孫神)、天忍日命(あめのおしひのみこと、天太玉命の弟神)である。